すぐ効く漢方、長く飲まないといけない漢方

東洋医学の代表とされる漢方薬ですが、一口に「漢方」といっても様々な種類があります。

 

種類を分ける基準の一つになるのが、「漢方薬を飲んでからの効き目の早さ」です。では、なぜ薬によって効き目の早さが異なるのでしょうか。

 

そもそも、漢方では病気を「急性のもの」と「慢性のもの」の2種類に分けるという考え方をします。

 

前者は風邪やインフルエンザなどの我々がよく知る「病気」、後者は「冷え性」のような西洋医学では病気とならないものも含まれます。

 

このうち、急性の疾患は症状を抑える薬を処方するため効き目が早く現れるといわれています。

 

なぜなら、こういった病気には「咳を抑える」、「熱を下げる」といった対症療法がおこなわれるため、効果を実感するのに時間がかからないからです。

 

これに対し、慢性病では一朝一夕に効果が出るということはありません。

 

なぜなら、慢性病は長年の生活習慣、体質、運動不足、ストレスなどの要因が複雑に絡み合って体調を悪くしているからです。

 

そのため、漢方の力を借りて体をいたわると同時に、原因を根本から絶っていくという過程が必要です。

 

このような特性がある慢性病の治療ですが、長期間の薬の服用を勧められているにもかかわらず、途中で薬を飲むのをやめてしまう人が多くいます。

 

その理由は、急性の病気と同じように「すぐに効果が出るはず」と考えてしまう人が多いためです。

 

慢性病の場合は3か月から6か月と、長期間薬を飲まなければならない、と言われています。

 

急性病と異なり、すぐにでも体調が改善する、ということはありませんが、じわじわと漢方薬の効果が現れてくるのが慢性病の治療の特徴なのです。

 

そのため、自己判断で薬の服用を中断すると、「やっぱり効き目がなかった」とがっかりする羽目になります。

 

長年の生活習慣の蓄積の結果が慢性病ですから、すぐには改善できません。

 

つらい症状が多いことから早く治したい、と焦ることも多い慢性病ですが、慢性病が現れるまで時間がかかるのと同じように、治療にも時間がかかります。

 

このことを理解して、焦らずじっくり、気長に治療していく気持ちが大切です。

 

このように効果が現れる早さについても違いがある漢方薬ですが、同じような効能でもたくさんの種類があります。

 

そのため、素人が症状から最も適切な薬を判断するのは至難の業です。

 

急性、慢性にかかわらず、漢方薬を病気の治療に使いたい、と考える場合は専門の医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

 

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