漢方エキス剤と煎じ薬の違いは?

東洋医学の一例としてあまりにも有名な漢方薬ですが、煎じ薬をイメージする人が多いのではないでしょうか。

 

しかし、近年の日本では伝統的な煎じ薬よりもむしろ漢方エキス剤と呼ばれるものの方が一般的である傾向があります。

 

では、この漢方エキス剤と煎じ薬は何が違うのでしょうか。

 

漢方エキス剤とは、煎じ薬を急速冷凍、乾燥させ、粉末にしたもののことを言います。粉末のままの散剤と、錠剤タイプの2種類があります。このうち、より一般的なものは散剤で、粒子の大きさによって細粒散剤と顆粒散剤にさらに分けることができます。

 

 

数千年の歴史をもつ煎じ薬と比較すると、漢方エキス剤は近年になって開発された新しい薬の形状で、昭和22年に日本で生まれ、現在の日本の漢方薬の主流となっています。

 

では、なぜ近年は漢方エキス剤が主流となっているのでしょうか。その理由は、現代人のライフスタイルにあります。漢方エキス剤は煎じ薬と異なりすでに調剤済みのため、持ち運びに便利で手軽に服用できるという長所があります。

 

また、品質が安定しており、長期の保管にも向きます。外出時に薬を飲む、薬を煎じる時間がない、といった悩みにとらわれることなく薬を服用できる点が、漢方エキス剤の利点です。しかしながら、漢方エキス剤には欠点もあります。

 

それは、すでに調剤済みであるため生薬の配合を変えることができないことです。漢方薬を処方する際には、患者の状態を細かく把握し、適切な対応をとることが必要です。

 

そして、患者の体質、症状の重さを考慮して生薬の量を調整するのですが、漢方エキス剤ではさじ加減をすることが不可能です。

 

また、漢方エキス剤は加熱・急速冷凍・乾燥という手順をふむ必要があるため、生薬の精油成分が蒸発してしまう、熱に弱い成分が壊れてしまうといった恐れがあります。

 

成分が失われた分だけ効果的ではなくなるため、一般的には漢方エキス剤よりも煎じ薬の方がより治療の効果が高いとされています。

 

このように、手軽さや利便性を重視するならば漢方エキス剤に軍配が上がります。

 

また、効果は煎じ薬に劣るものの、一般的な症状は漢方エキス剤で十分に対処が可能です。

 

しかしながら、病気が重い場合や症状が非常に複雑である場合は、オーダーメイドの煎じ薬の方が細かな調節がしやすく、より効果が期待できます。

 

煎じ薬、漢方エキス剤のどちらを選んだ方が良いかわからない、効果の違いの程度が知りたい、といった場合には、専門の医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

 

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